【12月8日 AFP】サッカー女子アルゼンチン1部リーグのビジャ・サン・カルロス(CA Villa San Carlos)でプレーするマーラ・ゴメス(Mara Gomez)は7日、同リーグ初のトランスジェンダー選手としてピッチに立ち、「どんな限界も感じることなく」進化し続けていくつもりだと表明した。

 今季第2節を迎えたこの日、ラヌス(CA Lanus)との一戦に臨んだゴメスはチームが1-7で敗れはしたものの、「きょうからスタートし、物事が実現して、これからも続いていくと確信できる」「女子リーグでプレーできてうれしい」「これは個人による征服ではなく、社会共通の問題だ」とAFPに語った。

 現在23歳のゴメスは、トランスジェンダー女性の平均寿命が32歳から40歳となっているアルゼンチンで、長い闘争の末に、先月28日に女子1部リーグでプレーすることが承認された。

 その際には、ホルモン治療を指示するアルゼンチンサッカー協会(AFA)との合意書にサイン。他の選手との運動能力の差に関する疑惑を取り除くために、リーグ戦開幕時とシーズン途中にテストステロン(testosterone)値の測定も義務付けられている。

 2012年に南米で先駆けてアルゼンチンでジェンダーアイデンティティー法が成立し、18歳のときに公的身分証明書で正式に性別を変更することが認められたゴメスはこの日、対戦相手のラヌスから、名前と背番号10が入ったユニホームをプレゼントされ、「予想もしていなかったから、感動してしまった」と明かした。

 ゴメスは15歳のときに近所の人から勧められてサッカーを開始。ブエノスアイレスの州都ラプラタ(La Plata)の女子リーグでは、昨季まで2シーズン連続で得点王になるなどめざましい活躍を見せていた。(c)AFP