【12月7日 AFP】20F1第16戦サキールGP(Sakhir Grand Prix 2020)は6日、決勝が行われ、来季のシートがない可能性のあるレーシングポイント(Racing Point)のセルヒオ・ペレス(Sergio Perez)が最後尾から大混乱のレースを制し、F1初優勝を果たした。

 スタート直後に他車と接触して後退したペレスだったが、メルセデスAMG(Mercedes AMG)がピットストップで両ドライバーのタイヤを取り違えるショッキングなミスを犯し、さらにルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)の代役ドライバーとして見事な走りを見せていたジョージ・ラッセル(George Russell)が終盤パンクに見舞われたことにも助けられ、優勝を飾った。

 30歳のペレスはGP通算190レース目で初勝利。メキシコ人ドライバーの優勝は1970年のペドロ・ロドリゲス(Pedro Rodriguez)氏以来、50年ぶりとなった。

 トップチェッカーを受け、涙をこぼしながらビクトリーラップを走ったペレスは「言葉がない」「夢じゃないことを祈るよ。10年かかったし、何をしゃべっていいのか分からない」「1周目で終わったと思ったが、諦めなかった。最終的には良い速さで走れて、ジョージを抑えられた」とコメントした。

 来季からアストンマーティン(Aston Martin F1)にチーム名が変わるレーシングポイントは、フェラーリ(Ferrari)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)が加入し、ペレスはチームから離脱する。現在は来季のシートを確保できていないが、レッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)の相方候補をアレクサンダー・アルボン(Alexander Albon)と争っている。

 ルノー(Renault)のエステバン・オコン(Esteban Ocon)がこちらも初表彰台となる2位を獲得し、レーシングポイントのもう1台、ランス・ストロール(Lance Stroll)が3位に入った。

 フェラーリ行きが決まっているマクラーレン(McLaren)のカルロス・サインツ・ジュニア(Carlos Sainz Jr.)が4位に入り、これにルノーのダニエル・リカルド(Daniel Ricciardo)、アルボン、アルファタウリ(AlphaTauri)のダニール・クビアト(Daniil Kvyat)が続いた。

 メルセデス勢はこのところの連続優勝がストップし、バルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)が8位、ラッセルが9位という結果だったが、ラッセルはF1で初のポイントとなる3点を獲得している。

 グリッド最後列からスタートしたランド・ノリス(Lando Norris)が10位入賞を果たした。フェルスタッペンは開幕ラップでフェラーリのシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)と接触してどちらもリタイアとなった。(c)AFP