【12月7日 AFP】南米ウルグアイのタバレ・バスケス(Tabare Vazquez)前大統領が6日、肺がんのため死去した。80歳だった。家族が明らかにした。

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 バスケス氏の息子のアルバロ・バスケス(Alvaro Vazquez)、ハビエル・バスケス(Javier Vazquez)、イグナシオ・バスケス(Ignacio Vazquez)の3氏は「深い悲しみとともに、愛する父が死去したことを伝える」との声明を発表。父親のバスケス氏が「腫瘍性疾患による自然原因により」同日午前3時(日本時間同日午後3時)に息を引き取ったと明らかにした。バスケス前大統領と同様、腫瘍専門医であるアルバロ氏はツイッター(Twitter)に「タバレは自宅で休息している間、家族や友人に付き添われ、病気のため亡くなった。家族を代表して、すべてのウルグアイ人に対し、彼が長年受け取った愛情に感謝したい」と投稿した。

 バスケス氏は首都モンテビデオを拠点とするサッカークラブ、CAプログレッソ(CA Progreso)の会長として広く知られるようになり、1989年、モンテビデオ県知事選で左翼連合の拡大戦線(Frente Amplio)から初めて当選。大統領選では2度の落選を経て2004年に勝利し、翌05年大統領に就任。因習的に続いてきたコロラド党(Colorado Party)と国民党(National Party)による統治を断つこととなった。バスケス氏は2010年まで大統領に在職し、2015年から2期目。今年3月、昨年の大統領選決選投票で拡大戦線のダニエル・マルティネス(Daniel Martinez)氏を破った国民党のルイス・ラカジェポー(Luis Lacalle Pou)氏に元首の座を譲った。

 拡大戦線はツイッターで「偉大な大統領、タバレ・バスケス」の死去を「深い悲しみ」とともに発表。「彼が示した政治への誠実さと国や国民への揺るぎない傾倒は、彼の偉業を継続するよう私たちを導くだろう」と述べた。(c)AFP