【12月6日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は5日、ジョージア州バルドスタ(Valdosta)で大統領選後初となる集会に参加した。演説でトランプ氏は、選挙が盗まれたとする根拠のない主張を改めて繰り返し、最後には自身が勝つと宣言した。

 会場に集まった支持者に対してトランプ氏は「われわれはこの選挙で勝利している」と主張し、その後も「われわれはさらに勝つだろう」と語った。ジョー・バイデン(Joe Biden)氏の勝利についても、「不正があった。不正に取引された勝利だ」と指摘した。

 新型コロナウイルスの感染者数が全国的に急増しているにもかかわらず、会場でマスク姿の人はほとんど見られず、多くの人がソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を順守していなかった。

 ジョージア州では来年1月5日、共和党・民主党のどちらが上院で優勢になるかが決まる非常に重要な決選投票が行われる。トランプ氏は決選に挑む共和党候補2人を代表してこの集会で演説を行い、民主党をめぐる不安をかき立てる発言を繰り返した。

 トランプ氏が不正選挙との主張を続けることにより、次の決戦選挙で共和党支持者の投票率が落ちるのではないかと懸念する共和党議員もおり、今回のトランプ氏の登場は多少賭けでもあった。

 トランプ氏は、バイデン氏に譲歩する構えも不正選挙の主張を諦める構えもないと明言。同氏の根拠のない訴えは、裁判所に次々と退けられている。

 大統領選のジョージア州での集計結果、バイデン氏が約1万2000票の僅差で勝利した。共和党基盤とされてきた同州で民主党大統領候補が勝利したのは、ビル・クリントン(Bill Clinton)元大統領が1992年に勝利して以降初めて。(c)AFP