【12月4日 AFP】米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)所長は3日、英規制当局が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンを承認したのは性急だと批判した自らの発言を撤回した。

 英国は2日、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)が開発したワクチンを世界で初めて承認。欧州の一部の国々は懸念を示し、政治問題化の兆しも見られた。

 広く認められているファウチ氏は英BBCに、「科学的観点と規制当局者の観点のいずれの点でも、英国の行動を大いに信頼している」と述べた。

「米国のプロセスは英国のものよりも時間がかかる。それは紛れもない事実だ」とファウチ氏は言い、「ずさんさを指摘したように取り上げられたが、そのような意図はなかった」と説明した。

 ファウチ氏は先に、英国の医薬品・医療製品規制庁(MHRA)が土壇場になってワクチン承認競争に加わり、「性急に承認した」と述べていた。

 さらに、米食品医薬品局(FDA)はワクチンに対する不信感をあおらないよう慎重に「近道」を避けているとも述べていた。ファウチ氏によると、MHRAを厳しく批判していたのはむしろ欧州連合(EU)の当局で、「早食い競争のようだ」と述べていたという。(c)AFP