【12月4日 AFP】サッカーヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2020-21)は3日、グループB第5節が各地で行われ、本拠地エミレーツ・スタジアム(Emirates Stadium)に入った2000人のファンの前でプレーしたアーセナル(Arsenal)は、ラピッド・ウィーン(Rapid Vienna)に4-1で勝利した。イングランド・プレミアリーグのクラブが観客を入れて公式戦を行うのは270日ぶり。

 最大6万人収容可能なスタジアムは、座席の間隔が十分にとられたため人影はまばらだったが、アーセナルのここ最近の低調なリーグ戦でのパフォーマンスに構うことなく、スタンドは活気にあふれていた。

 アーセナルを率いるミケル・アルテタ(Mikel Arteta)監督は、「ファンが戻ってきてうれしい。彼らは大きな違いを生んだ」とコメント。

「2000人だったが騒いでチームを支えてくれた。彼らのおかげで100パーセントの力を出すことができた」

 ファンを入れてアーセナルのホームゲームが行われるのは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によりリーグ戦が3か月中断する前の3月以来。

 6月のリーグ再開後、イングランドは無観客で試合を開催してきたため、アーセナルのファンはFAカップ(FA Cup 2019-20)とFAコミュニティーシールド(FA Community Shield 2020)の優勝をウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で目撃することができなかった。

 いつものように兄弟で試合を観戦したダン・アンダーソン(Dan Anderson)さんは、「スタジアムに最初に来たのが俺たちだったと振り返る、そういう試合の一つだね」と話した。

「日常に戻りつつある。毎日一生懸命に働いて週末や夜に試合に行くご褒美がある。それが求めているものなんだ」

 10分に強烈なロングシュートを沈めてゴールラッシュの口火を切ったアレクサンドレ・ラカゼット(Alexandre Lacazette)は、ファンの前に滑り込んで得点を喜んだ。

 直後に久々の実戦復帰となったパブロ・マリ(Pablo Mari)のヘディングで加点したアーセナルは、前半終了間際にエディ・エンケティア(Eddie Nketiah)が3点目をマークした。

 後半開始直後にラピッド・ウィーンの北川航也(Koya Kitagawa)が1点を返すと観客はジェスチャーでブーイングを示したが、アーセナルは途中出場したエミール・スミス・ロウ(Emile Smith Rowe)が4点目をマークした。(c)AFP/Kieran CANNING