【12月4日 AFP】スウェーデンで41歳の男性を自宅に20年以上にわたり監禁した疑いで70歳の母親が逮捕された事件で、同国検察は3日、男性は自身の意思に反して監禁されていたわけではなかったとして、母親の容疑が晴れたことを発表した。

 警察は当初、男性が首都ストックホルム南郊にある自宅アパートに「とても長い間閉じ込められていた」と説明。母親は今週、違法な自由剥奪と重大な傷害の疑いで逮捕されたが、2日に釈放されていた。

 当初メディアは、男性に20年間会っていなかったきょうだいの女性の話として、母親が男性を12歳で学校を退学させ、28年もの間外の世界から隔離したと報道。男性は発見時に栄養失調状態で、両脚に感染症を起こし、ほぼ全ての歯がなく会話に支障があったと伝えていた。

 エマ・オルソン(Emma Olsson)検事はAFPに対し、捜査の結果、男性はアパートからの外出を物理的に制限されていなかったことが判明したことから、母親はもはや容疑者ではないと言明。「男性自身も、自分が望めば外に出られたと話している」とし、外出する男性の姿を見た人もいると話した。検査の結果、男性が暴力を受けた形跡もみられなかったという。

 オルソン氏によると社会福祉機関が調査を続けており、特に男性が幼いころに学校を退学し、自宅で孤立状態にあったとの情報について調べているという。(c)AFP