【12月4日 AFP】香港メディア界の大物で、民主派の現地紙の創業者である黎智英(ジミー・ライ、Jimmy Lai)氏(73)が3日、詐欺の罪で起訴され、保釈は認められなかった。一方、著名な民主派政治家の前議員、許智峯(テッド・ホイ、Ted Hui)氏は同日、デンマークへの移動中、亡命を決めたと発表した。香港では、民主活動家や中国政府を批判する著名な人物が相次いで起訴されている。

 裁判所の文書によると、黎氏と、同氏が所有する大衆紙「蘋果日報(アップル・デーリー、Apple Daily)」の幹部2人は、同紙のオフィスが賃貸契約で許可されていない目的で使用された疑いに関連し、詐欺の罪に問われている。蘋果日報は民主派を明言し、中国当局に対する厳しい批判で知られ、高い人気を誇る。

 6月に香港国家安全維持法(国安法)が施行されて以来、中国は香港に対する取り締まりを大幅に強化。民主派議員の資格が剥奪されたほか、民主活動家数十人が起訴されたり捜査の対象となったりしている。

 一方、抗議運動に関連し複数の罪で起訴されている許氏は3日夜、「亡命する」ことを決めたと認めた。許氏は裁判所から、デンマークで行われる会議のための渡航を許可されていた。国外に逃れる香港の著名民主活動家の数は増え続けている。(c)AFP/Su Xinqi and Jerome Taylor