【12月3日 AFP】ハンガリーのオルバン・ビクトル(Orban Viktor)首相は2日、「ゲイの乱交パーティー」に参加したとされる盟友の欧州議会(European Parliament)議員を非難したが、両氏が所属する保守系の与党フィデス・ハンガリー市民連盟(Fidesz)に対しては、言行相反だとの批判の声が上がっている。

 オルバン氏は、パーティー参加後に辞職を表明したサーヤー・ヨージェフ(Szajer Jozsef)議員(59)の行動について「容認できず、擁護できない」と評した上で、「われらが党の価値観にふさわしくない」と述べた。

 反LGBT(性的少数者)的な措置を提唱してきたサーヤー氏は1日、ベルギーで「秘密のパーティー」に参加したと認めた上で、新型コロナウイルス対策に違反したことを謝罪した。
 
 野党・民主連合(DK)のフェレンツ・ジュルチャーニ(Ferenc Gyurcsany)党首は、「フィデスの政治家はキリスト教や家族、伝統的な男女の役割、道徳規範について説いているが、実際には口にしている価値観からかけ離れた、全く異なる生活を送っている」と批判した。

 ベルギーメディアによると、サーヤー氏が参加したパーティーは、全裸の男性25人が参加するものだったという。

 サーヤー氏は、与党の保守的な政策を推進する上で重要な役割を果たし、結婚を「男性1人と女性1人によるもの」と定義する条項を盛り込む憲法改正を後押ししてきた。それだけに、こうしたパーティーに参加したことの発覚は、特にきまりが悪いものとなった。

 調査報道サイト「Direkt36」の記者はサーヤー氏について、「自身はLGBTにフレンドリーなブリュッセルで楽しむ一方、ハンガリーで暮らすLGBTの人々の生活を悲惨なものにしてきた」とツイッター(Twitter)に投稿した。(c)AFP/Géza MOLNAR