【12月2日 AFP】ハンガリーのオルバン・ビクトル(Orban Viktor)首相の盟友で、先週末に辞職を表明した保守系の欧州議会(European Parliament)議員が1日、ベルギーで新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)違反となるパーティーに参加し、警察に警告を受けたことを明かし、謝罪した。このパーティーについて現地メディアは、乱交パーティーだったと報じている。

 ハンガリーの憲法起草にも関わったサーヤー・ヨージェフ(Szajer Jozsef)欧州議会議員(59)は11月28日、「一身上の都合」により辞職する意向を表明していた。しかし1日、ロックダウン実施中のベルギーの首都ブリュッセルで参加していたパーティーから逃走したところを警察に拘束され、警告を受けていたことを認めた。その際、合成麻薬エクスタシーの所持も発覚したという。

 ブリュッセルの検察当局によると、11月27日に同市中心部で開催されたパーティーで男性20人が拘束され、それぞれ250ユーロ(約3万2000円)の罰金を科された。参加者のうち、サーヤー氏と他2人が外交特権を主張した。

 拘束時、サーヤー氏の手は血まみれで、逃走しようとしてけがをしたのではないかと検察当局はみている。エクスタシーは、同氏が持っていたバックパックの中から見つかった。

 現地メディアはこのパーティーについて、ロックダウン前はゲイバーが多いことで知られた市中心部の歴史地区にあるアパートで開かれた「乱交パーティー」だったと報じている。

 サーヤー氏は、ロックダウンに違反したことを自らの家族に謝罪したが、性行為に一切言及せず、所持していた錠剤がエクスタシーだとは知らず、違法薬物を使用していないと主張した。

 欧州議会が免責特権剥奪を決定しない限り、サーヤー氏が刑事訴追されることはない。同氏の辞任は、12月31日付となる。

 サーヤー氏は1990~2002年の間に4回、ハンガリー国会議員に選出された。2004年からは欧州議会議員を務め、4期目に入っていた。(c)AFP