【12月2日 AFP】係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)をめぐるアルメニアとアゼルバイジャンの紛争で、アゼルバイジャン軍は1日、停戦合意に基づきアルメニアが返還した最後の県で国旗を掲げた。

 アルメニアは11月、ロシアが仲介した停戦合意で、ナゴルノカラバフ周辺のアグダム(Aghdam)、ラチン(Lachin)、キャルバジャル(Kalbajar)の3県の返還に同意。アゼルバイジャン軍は11月30日夜から翌朝にかけ、最後まで返還されていなかったラチン県に入った。

 現場のAFP記者らは、夜間のうちにラチン町の庁舎にアゼルバイジャン国旗が掲揚されたのを確認。1日朝には、道路沿いの別の場所にも国旗が掲げられた。

 アゼルバイジャンは今回の紛争で、1990年代にアルメニア系の分離派により占領された領土の多くを奪還。11月の停戦合意では3県の返還のほか、ロシアの平和維持部隊約2000人がアゼルバイジャン・アルメニア両国部隊の間や、ナゴルノカラバフの主要都市ステパナケルト(Stepanakert)とアルメニアを結ぶ約60キロの「ラチン回廊」沿いに配備されることも定められた。(c)AFP/Emmanuel PEUCHOT