【11月16日 AFP】係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)をめぐる停戦合意によりアゼルバイジャンの支配下となる峡谷の教会に、アルメニア人らが最後の祈りをささげに訪れた。人々の表情は喪失感や戸惑いに包まれており、涙を流す人も見られた。

 人々が訪れたダディバンク(Dadivank)教会は、険しい谷の中腹のキャルバジャル(Kalbajar)地域にある。同地域からのアルメニア人の退去期限は当初15日とされていたが、アゼルバイジャンは同日、期限を今月25日に延期することに同意したと発表した。

 石造で威厳のあるダディバンク教会は、12世紀ごろに基礎が据えられたとされる。何世紀にもわたる騒乱を乗り越え、アルメニア教会の誇りであり続けた場所だ。

 教会を訪れた人はAFPに対し「とてもつらくて、とても苦しい。お別れに来た」と語った。大きなサングラスが、流れた涙を隠していた。(c)AFP/Herve BAR