【12月2日 AFP】フランス南西部ペルピニャン(Perpignan)で1日、自宅寝室の床から起き上がれず、体が大きすぎるためにドアや階段を通って運び出すこともできない肥満男性の救助が行われ、警察官や救助隊員、医師ら約50人が動員された。

 体重約300キロのアラン・パナビエール(Alain Panabiere)さん(53)は、自宅で数か月間、身動きが取れなくなっていた。代理人によると、「おそらく脚を骨折した後」、身動きが取れなくなったという。

 兄弟の一人が飲食の世話をしていたが、パナビエールさんの容体は急激に悪化。代理人は10月末、ジェラルド・ダルマナン(Gerald Darmanin)内相に書簡を出し、緊急の救助を求める嘆願書を送った。その数日後、パナビエールさんとフランスの肥満症予防団体は「危険な状態にある人の支援を怠った」として提訴していた。

 警察は、2階建てのパナビエールさん宅前の狭い道を封鎖し、救助を開始。事故に備えて、近隣住民にも自宅からの一時退去を要請したという。

 現場で取材したAFP記者らによると、2階の外壁に穴が開けられた後、点滴につながれたパナビエールさんは、クレーンにつられた金属製のコンテナに慎重に移された。そのまま地上に下ろされ、待機していた救急車に乗せられた。(c)AFP