【9月27日 AFP】世界で一番重い人に認定されたことのあるメキシコ人男性フアン・ペドロ・フランコ(Juan Pedro Franco)さん(36)が、新型コロナウイルス感染症から回復した。数年にわたるダイエットや運動、数百キロの減量につながった胃の縮小手術が功を奏したと本人は信じているという。

【関連写真】胃の縮小手術を受けたときのフランコさん(2017年)

 かつて595キロあったフランコさんは、世界一重い人間として2017年にギネス世界記録(Guinness World Records)に認定された。この重さは、雄のホッキョクグマの平均体重を上回る。

 フランコさんの体重は現在208キロだが、糖尿病や高血圧、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患を患っていたことがあるため、ウイルスとの闘いは特に厳しいものとなった。

 メキシコ中部アグアスカリエンテス(Aguascalientes)州の自宅からAFPの取材に応じたフランコさんは、新型コロナウイルス感染症について「非常に攻撃的な病気だ。頭痛や体の痛み、呼吸困難や発熱があった。私は非常に高リスクな人間だった」と述べた。

 新型コロナによる死者の数が世界で4番目に多いメキシコは、子どもと大人の肥満率がそれぞれ世界第1位と2位を占めている。7万4000人を超える死者のうち、4分の1は過体重であった。

 フランコさんの手術を担当したホセ・アントニオ・カスタネダ(Jose Antonio Castaneda)医師は、「糖尿病や高血圧、心臓疾患の患者は深刻な合併症が起きやすい」とし、「克服できる可能性は非常に低い」と述べた。

 ただ、かつて重すぎてベッドから起き上がることすらできなかったフランコさんは、例外だった。

 66歳の母を新型ウイルスで亡くしたフランコさんは、3度の手術を含む減量治療によって今では糖尿病や高血圧の症状が抑えられているため、生き延びることができたと信じている。(c)AFP