【11月29日 AFP】ボクシングのエキシビションマッチが28日に行われ、元世界ヘビー級王者マイク・タイソン(Mike Tyson、米国)氏の54歳での復帰戦は、51歳のロイ・ジョーンズJr(Roy Jones Jr、米国)氏とのドローという結果に終わった。

 2005年にケビン・マクブライド(Kevin McBride、アイルランド)氏に敗れて現役を引退してから15年ぶりにリングへ上がったタイソン氏は、米カリフォルニア州ロサンゼルスの無観客のステープルズ・センター(Staples Center)で、注目と懐かしさが入り交じったペイパービューの一戦に臨んだ。

 カリフォルニア州アスレチック・コミッション(CSAC)は、普段の3分ではなく1ラウンド2分で試合を行い、グローブも通常の12オンスよりも大きめのものを使用することを指示し、さらに8回の戦いの中で両者がKO勝ちを狙わず、二人が50代であることを考慮して公式には勝者を決めない可能性を宣言していた。

 結果、試合はタイソン氏が主導権を握っていたように見えたが、WBCの元チャンピオンから成る「非公式」のパネルは引き分けと判定した。

 タイソン氏は「2分が3分に感じるタイミングもあった」「この試合ができて良かったし、次を楽しみにしている」とコメント。ドローについては「構わない」と受け入れ、自分では勝ったと思ったことを認めながらも「だけど引き分けでも良かったよ。見ていた人は楽しめただろう」とコメントした。

「8回まで行けてとても満足だ」「最後まで戦い抜けたのはもっとうれしい」「やられる不安はあった。何で誰も俺を心配してくれなかったんだ? 15年ぶりだというのに」

 一方のジョーンズ氏は体力的に厳しいように見え、試合を通じてクリンチを多用したが、引き分けに満足せず「引き分けはうれしくない。引き分けを狙うことはない」と話した。

 それでも、特にタイソン氏のボディーブローに一貫して苦しんだと認め、「彼のパンチが当たれば頭でも、ボディーでも関係ない。全てダメージがある。もちろんボディーはすごく効く。ボディーを食らうと体力を奪われる」とコメントした。(c)AFP