【11月25日 AFP】タイ警察は24日、王室を侮辱したとして、民主派デモ指導者12人に出頭を命じた。不敬罪の適用はほぼ3年ぶりで、有罪となれば15年以下の禁錮刑が科される。

 プラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)首相は先週、デモ隊に王室批判を禁じる不敬罪を定めた「刑法112条」の適用を認める発言をしている。

 数か月にわたり続くデモの参加者らは、軍政下に制定された憲法の改正やプラユット首相の退陣のみならず、これまでタブーとされてきた王室改革も求めている。

 タイは世界でも特に厳しい不敬罪を定めており、国王、王妃に対する中傷、侮辱、脅迫を禁じている。これにはソーシャルメディアへの投稿やそのシェアも含まれており、定期的に適用されている。最後に適用されたのは2018年初めだった。

 タイ人権弁護士センター(TLHR)によると、出頭を命じられた12人は、人権派弁護士のアノン・ナムパー(Anon Numpa)氏、パーヌポン・ジャートノーク(Panupong Jadnok)氏、パナッサヤー・シティジラワッタナクン(Panusaya Sithijirawattanakul)氏、パリット・チワラック(Parit Chiwarak)氏ら。

 パリット氏はAFPに対し「まったく恐れてはいない。112条の適用で、さらに多くの人が(25日の)デモに参加するだろう」「これは、王室が国民に対する全面戦争を宣言したという意味なのだろう」と話した。

 デモ主催者らは先週、25日にタイ王室財産管理局前でデモを行うと発表。しかし、王室支持派との衝突を避けるため前日になって、国王が主要株主になっているサイアム・コマーシャル銀行(Siam Commercial Bank)の本社前に場所を変更した。(c)AFP