【11月28日 CNS】世界最大規模に発展した中国のネット通販セール「双11」が11月11日を中心に開催された中、阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)系列の物流プラットトフォーム「菜鳥網絡(Cainiao Network)」は今年初めて、商品配達のオンライン中継を実施。延べ1億人が商品を運ばれる様子を見守る一大イベントとなった。

 全国各地にある菜鳥の物流倉庫でスマートロボットが仕分け、配送する作業をインターネットで公開。アリババの通販サイト「天猫(Tmall)」で注文を受けた品物が自動でより分けられ、ロボットが梱包し、発送する。作業ラインはすべて自動化され、全国各地の倉庫で自動化ラインの総延長は6000キロを超える。

「すごいハイテク。すごいスピード」「24時間休まず働き、あっという間に商品が配送されている」。ネットユーザーは驚きの声を上げる。江蘇省(Jiangsu)無錫市(Wuxi)の倉庫で働く製造番号14199のロボットは「199」の愛称で人気となり、「私の199はどこ?」「199に早く指示を与えて」とアイドルのように注目された。

 倉庫から顧客に商品を届けるため、広州市(GuangZhou)の拠点だけで1日1万4000台のトラックが稼働。ドライバーはリアルタイムで道路情報を確認できるスマート経路プランに基づき、渋滞を避けて効率的に配達する。特定エリアでは無人の自動運転車が非接触で商品を届けた。

 また、菜鳥は各地の物流企業と協力し、中国から欧州へ向かう国際貨物列車、出港する巨大な貨物船、雪に覆われた国境の村などの様子もリアルタイムで公開した。

 年々加熱する一方の双11は注文数や売上高が伸びると同時に、注文した品物が何日たっても届かないトラブルも発生するようになってきた。このため今年の双11のセールは11月1~3日と11日の2段階に分けて行われた。配送作業のオンライン公開も「商品がちゃんと配送される」という安心感をユーザーに与える狙いだが、予想以上にイベントとして盛り上がった。

「自分の注文した品物が高速ドローンであっという間に家に届き、その過程をライブ中継で見られる時代がいずれ来そうだ」。ネットユーザーの間ではそんな期待も出ている。(c)CNS/JCM/AFPBB News