【11月21日 AFP】ナチス・ドイツ(Nazi)の高官の戦争犯罪を裁いたニュルンベルク裁判(Nuremberg Trial)の開廷から75年を迎えた20日、ドイツのフランクワルター・シュタインマイヤー(Frank-Walter Steinmeier)大統領は、国際犯罪法の誕生につながった画期的な裁判の「遺産」をたたえるよう世界に呼び掛け、とりわけ米国を名指しして訴えた。

 新型コロナウイルスの感染拡大対策で規模を縮小して行われた記念式典は、1945年11月20日に裁判が開廷した、ニュルンベルクの司法宮殿の第600号法廷で行われた。

 シュタインマイヤー氏は「1945年11月、ニュルンベルクは廃虚と化していた。ドイツの多くの都市が荒廃していた。わが国は道徳的にも、物理的にも完全に破壊された状態にあった」と発言。「だがここで、まさにこの部屋で、外ではがれきの撤去作業が進む中、第2次世界大戦(World War II)の戦勝4か国が新たな世界の法的秩序の基盤を築いた」と述べた。

 最初の裁判では、ナチス高官21人が出廷し、米国、ソ連、英国、フランスの連合4か国の尋問を受けた。

 ニュルンベルクはナチス指導者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)が戦前に大規模な集会を開き、1935年に反ユダヤ主義の法律が成立した場所で、一連の裁判の象徴的な場所だった。(c)AFP/Femke COLBORNE