【11月20日 AFP】豪サウスオーストラリア(South Australia)州のスティーブン・マーシャル(Steven Marshall)州首相は20日、新型コロナウイルスの感染拡大懸念を受けて発動した「サーキットブレーカー」と呼ばれる短期間のロックダウン(都市封鎖)について、当初の6日間の予定を2日繰り上げ、21日に解除すると発表した。根拠となった感染者の説明がうそだったためという。

 州当局によると、発端は感染ホットスポットとなったピザ店で感染した男性が「客」だと名乗ったことだった。当局は、この新型ウイルスは非常に感染力の強いタイプだと判断。男性を濃厚接触者とみなし、ピザ持ち帰り用の箱を経由した感染拡大を懸念してサーキットブレーカーを発動した。

 だが、実はこの男性はピザ店の従業員で、客だと偽って申告していたという。感染追跡チームが話のつじつまが合わないことに気付き、関係者を追及した結果、男性の話がうそだと判明した。

 赤っ恥をかく羽目となった当局は、ロックダウンの影響は大きいがコロナ対策には必要だと強調するとともに、ホットスポットのピザ店の利用者に名乗り出て検査を受けるよう改めて呼び掛けている。

 サウスオーストラリア州は18日にサーキットブレーカーを発動。学校や商店、パブ、工場の閉鎖に加え、持ち帰り対応の飲食店も営業停止とされ、州人口200万人に自宅待機が命じられるなど、厳格な制限が課されていた。

 しかし、大規模な検査を行っても新たな市中感染は見つからず、集団感染者数も25人にとどまったことから、当局の対応は過剰反応だと市民から非難の声が上がっていた。(c)AFP