■業績が五分五分の業界は?

<医薬品>

 医薬品業界は、純利益が10.1%減となった一方で、3.1%の売上増を達成した。新型ウイルスの感染第1波が発生した第2四半期(2020年4~6月)は、多くの病院で緊急性のない治療を中止せざるを得なくなり、結果的に医薬品販売は赤字に転じた。

 しかし今後、新型コロナウイルスのワクチン販売に成功した企業は、売上高の大幅な伸びが期待できる。

■負け組

<エネルギー>

 エネルギー各社は、石油価格の下落とエネルギー需要の減少に打撃を受け、売上高は32.3%減、多くの企業が純損失を計上した。

 第3四半期(2020年7~9月)は、石油価格が回復して各社の売り上げは伸びたが、メディオバンカは2021年のエネルギー部門の先行きは不透明としている。

<運輸>

 運輸部門の製造業者も業績不振に苦しんでいる。

 多くの国で自動車販売店が営業を停止し、自動車製造業の売上高は17.4%減、純利益は66%減となった。

 航空機製造業は、航空機の引き渡し時に収益が発生するが、売上高は30%減となり、赤字を計上した。

<ファッション>

「2020年はファッション業界にとって、過去最も厳しい年になりそうだ」とメディオバンカは報告している。

 高級ブランドの重要な顧客層を占めているのは富裕層の旅行客だが、店舗の閉鎖により、旅行業界同様、業績が悪化。

 衣類のオンライン販売は2桁の伸びを示したにもかかわらず、全体の売上高は21.3%減となり、各社は赤字に追い込まれている。(c)AFP/Celine CORNU