【10月13日 AFP】イタリアで料理の宅配サービス「ウーバーイーツ(Uber Eats)」の幹部が立場の弱い移民労働者を搾取していると非難されている問題で、ミラノ(Milan)検察が同社の業務に関する捜査を完了し、報告書を提出した。伊メディアが12日、伝えた。

 報告書によると、配達員はバングラデシュとガンビア、ギニア、コートジボワール、マリ、ナイジェリア、パキスタン出身で、「極度に弱い立場かつ社会的に孤立した状態」で働いているという。

 配達員の報酬は、距離や天候、時間帯、祝日かどうかにかかわらず、1回につきわずか3ユーロ(約370円)。さらに、配達員らは「顧客が自発的に渡したチップも奪われ」、十分な仕事をしていない罰として、報酬の支払いを恣意(しい)的に停止されているという。

 捜査を率いたパオロ・ストラリ(Paolo Storari)検事は、報告書の中で配達員の搾取や、不正な会計処理に関与した10人を名指しした。

 ストラリ検事は、「紛争地帯出身だったり、収容施設で生活していたりという移民や難民認定申請者の働かざるを得ない状況に付け込むことで」労働力を確保しているとして、ウーバーイーツの幹部、グロリア・ブレッシアーニ(Gloria Bresciani)氏と他3人を非難した。

 米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies)のイタリア法人はAFPの取材に対し、当局と緊密に協力し、手続きを見直して改善し続けていくと回答した。(c)AFP