【11月20日 AFP】米グーグル(Google)は19日、自社OS(基本ソフト)「アンドロイド(Android)」搭載スマートフォン利用者向けに、端末間でメッセージを暗号化して扱う、「エンドツーエンド暗号化」機能の提供を開始すると発表した。これにより、法執行機関を含む第三者の誰もが、メッセージの内容を読むことは困難となる。

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 グーグルの製品開発責任者ドリュー・ロウニー(Drew Rowny)氏は発表で、「エンドツーエンド暗号化により、メッセージが自分の端末と送信相手の端末とを行き来する際、グーグルも第三者を含めたいかなる人も、メッセージの内容を読むことができなくなる」と説明した。グーグルは現在、従来の携帯端末間のテキストメッセージ(SMS)から、画像・動画向けの追加機能を標準とするリッチコミュニケーションサービス(RCS)への移行を進めている。暗号化はこの一環で、アンドロイド搭載の端末利用者が対象となる。

 エンドツーエンド暗号化により、グーグルのメッセージアプリのプライバシーや安全性が強化されるが、一方で、世界の法執行機関は、強化された暗号化が犯罪者の隠れみのとして使われる恐れがあると強く訴えている。エンドツーエンド暗号化は、米フェイスブック(Facebook)傘下のワッツアップ(WhatsApp)などで利用可能だが、同社の対話アプリ「メッセンジャー(Messenger)」で完全な暗号化機能を提供する取り組みをめぐっては、反発の声が上がっている。(c)AFP