【11月23日 CNS】中国・吉林省(Jilin)汪清県(Wangqing)の山道を車で走っていたドライバーが野生のアムールトラに遭遇した。「虎視眈々(たんたん)」とじっと見つめる姿に圧倒されて車を止め、トラが立ち去るのをひたすら待っていたという。

 2日午後、吉林省林業調査計画研究所技師の葛琳(Ge Lin)さんは2人の同僚と山林調査を終えて車で下山する途中、林から道路に現れたアムールトラを目撃した。トラが道路から車をじっと見つめるため、葛琳さんは車を止めた。

「トラは車から8~10メートル離れていたところを歩き回っていました」。葛琳さんがスマートフォンで撮影した動画では、トラは車を興味深げに見つめ、危険はないと判断した様子で、林に戻っていった。

「私たち3人は車に乗る直前まで、1時間以上も山の中を歩いて森林調査をしていたんです。いま考えると恐ろしいことだった」と葛琳さんは振り返る。山にトラが生息しているとは聞いていたが、実際に遭遇するとは考えていなかった。「実際にトラを見ることができたのは良かった。トラが過敏になっていたり怒ったりしている状況でなかったのは幸運でした」

 吉林省と黒竜江省(Heilongjiang)の境にある老爺嶺(Laoyeling)には東北虎・東北ヒョウ国家公園国立公園があり、生態系回復に力を入れている。近年はアムールトラやヒョウなどの野生動物の「楽園」になっている。

 最近はアムールトラが頻繁に目撃されており、公園管理局はトラやヒョウの分布情報に随時注意を払うよう住民に呼びかけている。(c)CNS/JCM/AFPBB News