【11月18日 AFP】第2次世界大戦(World War II)時に英首相を務めたウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)が描いた絵が16日、ロンドンで競売にかけられ、98万3000ポンド(約1億3500万円)で落札された。

 静物画「Jug with Bottles(水差しと瓶)」に描かれているのは、ジョニーウォーカー(Johnny Walker)のブラックラベル(Black Label)のボトルとブランデーのボトル、水差しとグラス。予想価格の約5倍で落札され、チャーチルが描いた絵画としては過去最高額となった。

 熱心なアマチュア画家だったチャーチルは1930年代、イングランド南東部ケント(Kent)州にあるカントリーハウス、チャートウェル(Chartwell)でこの作品を制作した。

 競売を主催したサザビーズ(Sotheby's)によると、朝からよくソーダ割りを飲んでいたほどの酒好きで知られたチャーチルのジョニーウォーカー愛が映し出されている。

 チャーチルは1940年代、米国の欧州特使を務めた実業家W・アベレル・ハリマン(W. Averell Harriman)氏にこの作品を贈った。

 ハリマン氏は1942年、チャーチルとソ連(当時)のヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)と共にモスクワ会談に出席。絵を贈られたことから、ハリマン氏がチャーチルと友好的な関係を築いていたことが分かる。

 英紙タイムズ(Times)によると、この時期ハリマン氏は、チャーチルの息子ランドルフ(Randolph Churchill)さんの妻パメラ(Pamela Churchill)さんと関係を持っていたが、チャーチルがそのことを知っていたかは不明だという。

 パメラさんはその後、1970年代にハリマン氏と結婚。1997年に亡くなった後、絵画は売りに出された。後に所有者となった米国人収集家が亡くなったことから、今回競売にかけられた。(c)AFP