【11月16日 AFP】来日中の国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は17日、コロナ禍で2021年に延期された東京五輪について、現時点で有観客開催へ「非常に自信が持てる」と語った。

 この日、都内で菅義偉(Yoshihide Suga)首相と会談したバッハ会長は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)や政府によるコロナウイルス対策への備えを称賛した。

「われわれはとても大きな道具箱を一緒に用意し、その中から想像し得るさまざまな対策を取っていく」「そして来年は、箱から適切な道具を取り出し、それを使って全参加者にとっての安全な環境を確保していく」「このことで、来年の五輪の各競技会場で観客動員が可能になることに非常に自信が持てる」

 さらに会長は、来年夏までにワクチンが完成していた場合は、できる限り多くの参加選手、観客が来日前に接種を受けられるよう、IOCとして「全力を尽くす」と誓った。

 バッハ会長の2日間の訪日の目的は、戦争以外の理由で初めて延期になった東京五輪の今後の見通しについて、選手と日本国民、五輪スポンサーに安心感を与えることだとみられている。会長は「世界は新型コロナウイルスの危機でトンネルの中にいるが、共にこの大会と聖火をトンネルの先の明かりにしていく」とコメントした。

 日本政府は五輪開催に前向きな姿勢を貫いており、菅首相も「人類がウイルスに打ち勝った証しとして」五輪を開催するという主張を繰り返している。(c)AFP