【11月17日 AFP】米国ではカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏(56)という史上初の女性副大統領が誕生するが、連邦議会選挙では史上最多の女性が当選した。共和党女性議員も過去最多となり、彼女らが就任する来年1月は、歴史的に重要な節目となる。

 州司法長官の経験を持ち、次期大統領ジョー・バイデン(Joe Biden)氏に副大統領候補に指名されたハリス上院議員は、来年1月20日の就任宣誓式には初の女性、初の黒人、初の南アジア系として、初めて尽くしの副大統領になる。

 米民主党全国委員会(DNC)の元最高経営責任者(CEO)で、現在はアメリカン大学(American University)で教壇に立つエイミー・デイシー(Amy Dacey)氏は、「カマラ・ハリス氏によって、多くのガラスの天井が一日にして打ち破られた」と語る。

 バイデン氏が大統領首席補佐官に起用すると発表したロン・クレイン(Ron Klain)氏は、ハリス氏が「重要な」役割を担うことになると発言している。「つまり、(バイデン氏は)政権のさまざまなポストに女性を大勢起用するということだと思う」とデイシー氏は語った。

 専門家らは、バイデン氏は革新派の上院議員エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)氏か、元財務次官(国際金融担当)で連邦準備制度理事会(Federal Reserve)のラエル・ブレイナード(Lael Brainard)氏を女性として初の財務長官に任命するのではないかとみている。

 米国初の女性国防長官としては、元国防総省ナンバー3のミシェル・フロノイ(Michele Flournoy)氏の名も取り沙汰されている。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権では、女性閣僚はわずか2人。イレーン・チャオ(Elaine Chao)運輸長官とベッツィー・デボス(Betsy DeVos)教育長官だけだ。大統領上級顧問や大統領報道官としては女性が何人か働いてきたが、トランプ氏は、女性を侮辱する性差別発言でたびたび物議を醸してきた。