【11月16日 AFP】(写真追加)国際宇宙ステーション(ISS)に向かう日本人宇宙飛行士の野口聡一(Soichi Noguchi)さんら4人を乗せた米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)の有人宇宙船クルードラゴン(Crew Dragon)が、米フロリダ州のケネディ宇宙センター(Kennedy Space Center)から15日午後7時27分(日本時間16日午前9時27分)にファルコン9(Falcon 9)ロケットで打ち上げられた。

 搭乗しているのは野口さんのほか、いずれも米国のマイケル・ホプキンス(Michael Hopkins)、ビクター・グローバー(Victor Glover)、シャノン・ウォーカー(Shannon Walker)の3飛行士。今回のクルードラゴンには「回復する力」という意味の「レジリエンス(Resilience)」という船名が付いている。

 クルードラゴンは16日午後11時(日本時間17日午後1時)ごろ、ISSにドッキングする予定。4人はすでにISSにいるロシア人2人と米国人1人の飛行士らに迎えられ、およそ6か月間、ISSに滞在することになっている。

 クルードラゴンはカプセル型で、スペースシャトル(Space Shuttle)より前の宇宙船に似た形をしている。打ち上げに使われたスペースXのファルコン9ロケットはその一部を再利用することができる。クルードラゴンはアポロ(Apollo)計画時代の宇宙船と同じように、地球に帰還するときはパラシュートを使って着水する。

 米航空宇宙局(NASA)は、安価で安全な宇宙旅行を実現させるという目標を達成できなかったスペースシャトルを2011年に退役させた。NASAは月や火星への有人飛行に集中するため、「低地球軌道」での輸送需要を民間に任せることを目指し、2024年までに80億ドル(約8400億円)以上をかける予定の「商業クループログラム(Commercial Crew program)」という計画で、スペースXと米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)に宇宙船の開発を促してきた。

 米電気自動車(EV)大手テスラ(Tesla)の創業者イーロン・マスク(Elon Musk)氏が2002年に創業したスペースXは、はるかに長い歴史を持つボーイングに先駆けて有人宇宙船を実用化した。

 スペースXは今年5月、クルードラゴンに宇宙飛行士を乗せてISSまで往復する試験飛行を成功させ、ほぼ10年続いたロシアのソユーズ(Soyuz)宇宙船に依存する状況に終止符を打っていた。(c)AFP