【11月14日 AFP】英国で2016年に行われた欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)の是非を問う国民投票で、離脱支持運動の立役者となったドミニク・カミングス(Dominic Cummings)首相上級顧問が辞任する見通しであることが、政府関係筋の話により13日、明らかになった。

 カミングス氏はボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相の最側近の一人として政権内で独自の強力な立場を築き上げてきた人物で、その言動はしばしば物議を醸してきた。

 カミングス氏は12日、ブレグジットが最終段階を迎える年末に辞任する意向を表明。しかし翌13日、ダウニング街(Downing Street)10番地にある首相官邸から、段ボール箱を持って出てくる姿が見られた。

 政府関係筋によると、カミングス氏の在職期間は正式には来月半ばまでだが、スカイニューズ(Sky News)やBBCなどの報道によると、今後は出勤しないという。

 英国では新型コロナウイルスによる死者が5万人を超え、イングランドでは部分的なロックダウン(都市封鎖)措置が取られる中、政権内の権力闘争が表面化する事態に陥っている。

 英国とEUの貿易交渉は現在、正念場を迎えており、ブレグジットのもう一人の立役者であるナイジェル・ファラージ(Nigel Farage)氏はカミングス氏辞任の見通しを受け、「彼が10番地(首相官邸)を離れたのを見ると、ブレグジットの裏切りは近いようだ」とツイッター(Twitter)に投稿した。(c)AFP/Joe JACKSON