WHOが検閲か、「台湾」「プーさん」投稿できず ネット民はとんちで対抗
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【11月13日 AFP】世界保健機関(WHO)がフェイスブック(Facebook)ページ上で「台湾」という言葉を検閲していた疑惑が浮上し、ネットユーザーらはフィルターをかいくぐるために特殊な文字や外国語の文字を使うなどとんちで対抗した。検閲では、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席をやゆするのに使われる「くまのプーさん(Winnie the Pooh)」という言葉もはじかれたという。
台湾の政治家やソーシャルメディアユーザーが共有したスクリーンショットによると、WHOは12日、フェイスブック上で新型コロナウイルスに関する生配信を行ったが、この配信を告知するバナーの下のコメント欄で、「Taiwan(台湾)」や「Taiwan can help(台湾が手助けできる)」という言葉が含まれたコメントが投稿できなかった。
台湾のユーザーらは、特殊文字を使って規制をかいくぐり、「Taiw@n can help」と投稿。台湾がWHOの新型ウイルス対策を手助けできると訴えた。
強権的な中国政府の影響力が強まっている香港では、ベトナム語のアルファベットで「台湾」と表記して規制をくぐりぬけたユーザーもいた。
「Winnie the Pooh」という言葉が投稿できないと訴えるユーザーもいたが、プーさんの画像は検閲にかからなかった。作中で「脳みそがとても小さなくま」と表現されるプーさんは、ソーシャルメディアでは中国の習近平国家主席をやゆする言葉として使われている。
台湾の与党・民主進歩党(DPP)の王定宇(Wang Ting-yu)議員はツイッターに「WHOは独裁政権のように振る舞い、今や反対意見を封じようと躍起になっている」と投稿した。
呉釗燮(Joseph Wu)外交部長(外相に相当)によると、台湾はWHOに抗議し、「強い不満と遺憾の意」を表明したという。
台湾のあるソーシャルメディアユーザーは、「これほどまで(投稿を)検閲するなんて……WHOは腐ってる。ネット民を黙らせようとしている」と投稿した。
フェイスブックは12日、「本日実施されたWHOのフェイスブックページの生配信に対して何もしていない」と述べ、キーワードの制限やコメント禁止などはしていないと説明した。
WHOが同日AFPに送付した声明によると、WHOのソーシャルメディアチームが「サイバー攻撃」対策としてフィルターをかけていたが、すでに「台湾」という言葉を投稿できるように戻したと説明した。(c)AFP