【11月10日 AFP】陸上長距離男子のモハメド・ファラー(Mohammed Farah、英国)は、一時的にランニングシューズを脱ぎ捨てて、母国の人気リアリティー番組「I'm A Celebrity… Get Me Out Of Here!(わたしはセレブだ。ここから出せ!)」に出演することになり、来年の東京五輪に向けた準備に疑問の目が向けられている。

 五輪で四つの金メダルを獲得しているファラーは、出演料30万ポンド(約4100万円)で9人の有名人と共に城の王または女王の座を争うことになったと伝えられた。番組は英民放ITVで15日から放送開始となっているが、新型コロナウイルスによる規制により、ロケーションは通常使われているオーストラリアのジャングルからウェールズのグウィッチ城(Gwrych Castle)に変更された。

 来年に延期された東京五輪で1万メートル出場を目指している37歳のファラーは、母国の視聴者に自分の違う一面を見せたいとしており、「番組をテレビで見たことがあり、自分も挑戦して何ができるか試したいと思った。それが出演理由のすべてだ」と語った。

「こういう形で私を見ることはないから人々は驚くだろう。世間は私が走って勝つ姿になじんでいるが、それ以外は何もない」「それは私の子どもたちも同じで、『お父さんがそんなことをしている姿は想像がつかない』と話している。しかし、自分はやってみることを望んでいるし、共同生活を楽しみたい」

 ソマリア出身のファラーと争う出演者の中には、2016年リオデジャネイロパラリンピックの女子やり投げで金メダルを獲得したホリー・アーノルド(Hollie Arnold)も含まれている。

 番組のレギュラーシリーズでは、有名人が過酷な試練や課題に挑み、称号を競いながら食べ物やもてなしを勝ち取る内容となっている。(c)AFP