【11月9日 AFP】イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)でプレーするマーカス・ラシュフォード(Marcus Rashford)の訴えで実現した、休み期間中の学校給食の無償提供が、クリスマスを含めた冬休みも継続されることが決まった。

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相率いる英政府は、この夏にもそれまでの方針を転換し、夏休み中に給食を無料で提供していた。そして今回も政府は、制度を冬休みにまで延長することに当初は反対していたが、ラシュフォードの訴えを受けて再び態度を軟化させた。

 ラシュフォードは3-1で勝利した7日のエバートン(Everton)戦の試合後、ジョンソン首相から電話で新たな支出案の概要を伝えられたという。

 ラシュフォードは「首相と話をして、提案された計画への理解を深めることができたし、子どもの食料問題と闘うために英国が取った措置を大いに歓迎する」とコメント。自身も貧しい環境で育ったラシュフォードは、SNSを通じて取り組みに賛同してくれた人たちを「とても誇りに思う」と話し、英国から子どもの飢餓をなくすために「人生を通じて闘う」と約束した。

 ラシュフォードの活動は各所から称賛され、10月には大英帝国勲章を受章。本人も誇らしげに、ツイッター(Twitter)のアカウント名に「大英帝国勲章受章者(MBE)」の称号を付け加えている。

 新型コロナウイルスによる経済への打撃で、英国では貧困に陥る家庭が増え続けており、多くの人が食べ物や暖房器具といった生活必需品を手に入れられずにいる。貧しい子どもも学期中は無料で給食を食べられたが、休暇中は給食が出ないはずだった。

 それでもクリスマス休暇が近づく中で、ラシュフォードの取り組みは多くの人の胸を打ち、政府はメディアからの冷酷だという批判に繰り返しさらされていた。(c)AFP