■民主党討論会ではバイデン氏と激突

 州司法長官時代は、バイデン氏の息子で、デラウェア州で同じ役職にあった故ボー・バイデン(Beau Biden)氏と職務上、良好な関係を築いたが、ボー・バイデン氏は2015年にがんで死去した。

 ハリス氏の副大統領候補指名後、初めて同氏と一緒に姿を現したバイデン氏は「私はボーがどれほどカマラと彼女の働きぶりを尊敬していたかを知っており、正直に言って、私がこの決断をするにあたって、とても大きな意味があった」と語った。

 有力な選挙運動家としてカリスマ性を醸し出しているハリス氏だが、メガワット級の笑顔は、容赦ない尋問と鋭い切り返しを行う検察官の顔へと素早くすり替わる。

 2017年にロシア疑惑をめぐり連邦議会議事堂(Capitol Hill)で行われた公聴会で、当時のジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)司法長官に鋭い質問を行うハリス氏のビデオは拡散した。

 ハリス氏は民主党の大統領候補指名争いに名乗りを上げ、民主党候補の第1回討論会では、バイデン氏が1970年代に人種別学校の統合を目指したバス通学プログラムに反対したことを取り上げてバイデン氏を攻撃した。

 その際にハリス氏は、カリフォルニアのある少女も、自分の学校が統合プログラムの対象なため、毎日バスで白人が多数を占める学校に通っていたと語った。そして、こう続けた。「その少女は私です」

 ハリス氏との激突にもかかわらずバイデン氏は候補者討論会で同氏を指名、ハリス氏の活気あふれたエネルギーを、注意深く演出されたバイデン氏の選挙運動に持ち込んだ。

 副大統領候補討論会では、ハリス氏は発言を遮ろうとしたマイク・ペンス(Mike Pence)副大統領に手を上げて合図した。

「副大統領、私が発言中です。私が話しています」とペンス氏をにらみつけて黙らせた。

 討論会の数時間後には、ハリス氏の言葉が書かれたTシャツがオンライン上で発売された。(c)AFP/Joshua MELVIN