【11月8日 AFP】米大統領選で7日にジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領が当選確実とのニュースが報じられると、米国の多くの都市は歓喜ムードに包まれた。一方でドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の熱狂的支持者らは、詐欺や陰謀だと主張し、結果を受け入れることを拒否した。

 アリゾナ州フェニックス(Phoenix)、ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia)、ジョージア州アトランタ(Atlanta)などの都市では、トランプ氏の支持者らが「#StopTheSteal(盗みをやめろ)」のスローガンの下に集結し、バイデン氏の勝利は不正行為によるものだとするトランプ氏の根拠のない主張を繰り返し唱えた。

 敗北したとはいえ、トランプ氏は大胆なポピュリズムで規範を打ち砕き、米国に多くいた熱狂的で忠実な支持者たちを鼓舞した。

 トランプ氏は時に支持者を盛り上げることができていたが、ツイッター(Twitter)で陰謀説をリツイートし、白人至上主義を強く非難するのを拒否したことで自身への支持に暗い一面ももたらした。

 マイノリティーの人が警官によって死亡したり、トランプ氏がたびたび緊張をあおったりしたことで、米各地では抗議デモが巻き起こった。今回の大統領選はこの混乱の中で行われ、一部の都市では選挙に関連した暴力事件が起きることが懸念されていた。

 だがこうした懸念は現実とはならなかった。両候補者の多くの支持者らは7日、努めて平穏を保とうとしているようだった。

 ジョージア州アトランタには7日午後、合法的に武器を持ったバイデン氏支持者の一団がトランプ氏支持のデモ隊の近くに現われたが、暴力的な騒ぎにはならなかった。

 トランプ氏支持者らは普段、武器を持って集会に参加することが多いが、同日アトランタで行われたトランプ氏支持者の集会で銃器は見られなかった。(c)AFP/Julia Benarrous