【11月5日 AFP】イングランド・プレミアリーグのクリスタルパレス(Crystal Palace)に所属するDFママドゥ・サコ(Mamadou Sakho)は、禁止薬物を摂取していたという疑惑に関して、世界反ドーピング機関(WADA)から謝罪と「相当な額の」賠償金を勝ち取った。

 サコは発表文の中で「自分は無実だと考えている」「私が完全に新たに再出発できるようになるには、WADAから謝罪を正式に受けることが不可欠だった」と述べた。

 当時リバプール(Liverpool FC)に所属していたサコは、2016年3月に行われたマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)とのヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2015-16)決勝トーナメント2回戦の後、検体からヒゲナミン(higenamine)という脂肪燃焼効果のある物質の陽性反応が出て、短期間の出場停止処分を科された。

 処分の結果、サコはセビージャFC(Sevilla FC)とのヨーロッパリーグ決勝を欠場し、同年の欧州選手権(UEFA Euro 2016)に向けたフランス代表メンバー入りも逃すことになったと主張していた。

 しかし、欧州サッカー連盟(UEFA)の規律委員会は同年7月、ヒゲナミンはWADAの禁止リストに含まれておらず、同機関の研究所のヒゲナミンの扱いは確かではなかったと判断し、サコは最終的に潔白となった。

 だがWADAは、同年8月に英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)に、2017年4月には同国紙ガーディアン(Guardian)に対し、サコがパフォーマンス向上薬を摂取していたと述べていた。

 これを受け、名誉を毀損(きそん)されたとしてWADAを提訴していたサコは、英ロンドンの高等裁判所で4日に行われた審理で同機関から謝罪を受け、賠償金(金額非公表)を勝ち取った。

 サコは裁判所の外で、「満足している。プロサッカー選手や、プロスポーツ選手にとって簡単なことではなく、家族や全ての友人をはじめ、この困難な時期にそばにいてくれた人のためにも幸せだ」とコメントした。

「ドーピングは疑われ得る中でも最低なことだ」 (c)AFP