【11月4日 AFP】妊娠中の女性が高温や熱波にさらされると、早産や死産の可能性が高くなるとする研究結果が4日、英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に発表された。

気温が上昇すると早産増える 米研究

 こうした妊娠結果は貧困と密接に関連しており、特に熱帯地域でそうだが、地球温暖化に伴い、より強度と頻度を増す熱波の間にいっそう増える可能性があると研究チームは報告している。

 そして高温への暴露は日常的なことで、しかもエスカレートしているため、たとえわずかな気温の上昇でも公衆衛生上、大きな打撃を与える可能性があると研究は結論付けている。

 今回の研究を行ったのは、南アフリカにある「ウィッツ・リプロダクティブ・ヘルス・HIV研究所(Wits Reproductive Health and HIV Institute)」のマシュー・チャーシッチ(Matthew Chersich)氏が率いる国際チーム。高温が妊娠結果に与える影響を定量化するために、富裕国、貧困国、中所得国、計27か国の論文70本を調査した。

 その結果、早産に関する論文47本のうち40本が、気温が高いほど早産が多くみられると報告していた。そして早産の確率は気温が1度上昇するごとに平均5%増え、熱波の間は16%上昇することが新たに判明した。また気温が1度上昇するごとに死産は5%増加し、その相関性は妊娠後期の数週間で最も顕著なことも分かった。

 温暖化によって地球の平均気温は20世紀の間に1度上昇し、大陸での上昇幅はさらに大きい。国連(UN)の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、猛暑日が最も増えるのは熱帯地域だと予想している。

 今回の結果は、暑さに関連する条件が「ハイリスク」になると一般的に考えられているグループに妊娠中の女性が並ぶことを強く示唆するものだと研究チームは結論付けている。(c)AFP/Marlowe HOOD