■何の疑いも持たずスー・チー氏を支持

 NLDの「逆転した役割」についても指摘されている。

 NLDは政治的抑圧を受けた当事者らが率いる政党ではあるが、政権の座に就いてからは反対派を取り締まっているというのだ。

 事実、現政権の下で拘束された活動家の人数は急増している。最近では、活動家15人が拘束され、そのうち2人は軍部によるラカイン(Rakhine)州での暴力行為の疑いを非難したことで、実刑6年の有罪判決を言い渡された。

 人権監視団体、「ビルマ政治囚支援協会(Assistance Association for Political Prisoners)」の共同創設者ボー・チー(Bo Kyi)氏は、これまでに実刑判決を言い渡された、または裁判を待っているという政治犯は、現在537人いると話す。

 チー氏自身も軍事政権時代に収容された経験を持つ。そして釈放後には、関わりたくないとの雰囲気を周囲から感じたと言う。

 しかし、今日の若い活動家らは、何の疑いも持たずにスー・チー氏を支持する人々と向き合わねばならず、状況はほとんどよくなっていないと指摘する。

「ほとんどの人は、誰かがスー・チー氏に盾突くことを望まないのです」 (c)AFP/Richard Sargent