ファーストレディーと教職を両立か、ジル・バイデン夫人の挑戦
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【11月8日 AFP】ジル・バイデン(Jill Biden)夫人(69)が政治の世界で注目を浴びるのは今回が初めてではない。1977年に結婚したジョー・バイデン(Joe Biden)氏(77)はワシントンで政治の中枢に関わり、その妻として8年間、セカンドレディー(副大統領夫人)の役目を果たした。だが、バイデン氏が大統領選で勝利した今、常勤の教授職を続けることで、ファーストレディーの役割を21世紀バージョンにアップデートする可能性がある。
オハイオ大学(Ohio University)の歴史学教授、キャサリン・ジェリソン(Katherine Jellison)氏は、「米国の女性の大半は仕事と家庭を両立しているが、ファーストレディーにはそれが許されてこなかった」と指摘。「だが、おそらく機が熟したのだと思う。多くの国民は、ファーストレディーがホワイトハウス(White House)に四六時中待機していなくても不満は持たないはずだ」と話す。
ジル夫人は今後、ファーストレディーとして教育問題に取り組み、ミシェル・オバマ(Michelle Obama)元大統領夫人と共に2011年に立ち上げた、米軍兵士とその家族を支援する活動「ジョイニング・フォーシズ(Joining Forces)」を再開するとみられている。
その一方でジル夫人は、教師であり、母親であり、孫もいる。そして、約半世紀前に悲劇に見舞われたバイデン氏の大きな支えにもなってきた。バイデン氏は1972年、妻と幼い娘を交通事故で亡くし、息子2人を男手一つで育てなければならなくなった。
1951年生まれでペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia)郊外で育ったジル・ジェイコブス(Jill Jacobs)さんは、専業主婦の母親と、たたき上げの銀行マンの父親のもとで育った。父親は窓口係から社長に出世した人物だ。
バイデン氏がジル夫人と出会ったのは、妻に先立たれて上院議員としてデラウェア州から首都ワシントンまで毎日通勤していた頃で、ジル夫人は当時、最初の夫との離婚を進めていた。
2人は1977年に結婚。ジル夫人は、ハンター(Hunter Biden)氏とボー(Beau Biden)氏の「ママ」になり、1981年にバイデン氏との間に娘のアシュリー(Ashley Biden)さんをもうけた。
子育てをしつつ、二つの修士号を取得し、教育学の博士号も取得した。現在はノーザンバージニア・コミュニティーカレッジ(Northern Virginia Community College)で教壇に立っている。