【11月3日 AFP】ドイツの伝説的サッカー選手であるゲルト・ミュラー(Gerd Mueller)氏は「眠りながらゆっくりとあの世に向かっている」と、3日の75歳の誕生日を前に妻のウッシー(Uschi)さんが明かした。

 ドイツ・ブンデスリーガ1部のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)で欧州と国内のタイトルをいくつも獲得し、「爆撃機」の愛称で知られたミュラー氏は認知症を患っており、現在は特別養護施設で暮らしている。

 2日付の独紙ビルト(Bild)の記事の中で、ウッシーさんは「彼は1日のうちほぼ24時間をベッドで過ごしていて、起きている時間はほんのわずか」と語った。

「少しでも目を開けてくれるときは美しい。目でイエス、ノーと言うことができるときもある」「彼は穏やかで落ち着いていて、苦しんでいるとは思わない。眠りながらゆっくりとあの世に向かっていると思う」

 西ドイツ代表の一員として、1974年のW杯(World Cup)や、欧州選手権(UEFA Euro)を制したミュラー氏は、1971-72シーズンにブンデスリーガ1部最多記録となる40得点をマークした。

 現役時代にミュラー氏と共にプレーしたフランツ・ベッケンバウアー(Franz Beckenbauer)氏は、「バイエルン・ミュンヘンが国際レベルに達し、今のチームがあるのは彼のおかげ」と話した。

「私の目には彼がバイエルン・ミュンヘンの歴史上最も重要な選手として映っている。人々は100年後もゲルト・ミュラーについて話しているだろう」 (c)AFP