【11月2日 AFP】トルコ・ギリシャ沖のエーゲ海(Aegean Sea)で10月30日に発生した大地震で、トルコ西部での死者数は1日までに69人になった。救助隊は同日、生存者発見の望みが薄れる中、倒壊した建物8棟で捜索活動に当たった。

 先月30日午後に発生したマグニチュード(M)7.0の地震は、同国西部イズミル(Izmir)県の西岸部セフェリヒサール(Seferihisar)付近を直撃。トルコ災害緊急事態対策庁(AFAD)によると、この地震で940人が負傷し、200人以上が病院にいるという。

 最も大きな被害を受けた同県バイラクル(Bayrakli)では、不安を抱く家族らが厚い毛布にくるまって屋外で2度目の夜を明かした。テント生活は3日目を迎えようとしている。

 建物3棟の低層階部分が崩壊した住宅地では、救助隊員らががれきの中で2日目の捜索活動に当たり、住民らがその様子を不安げに見守った。この倒壊で出た死者数は明らかになっていない。

 ある倒壊した建物の前では、家族たちが絶望や強い恐怖感に包まれていた。地元メディアが撮影した映像では、救助隊員1人を含む男女が目に涙を浮かべる様子が映し出されていた。

 裁判所で働くエテムさんは、不安な表情で同僚の妻と子ども2人の消息を3日間待ち続けている。倒壊した建物の前で「奇跡が起きるのを待っている」と語った。

 地震が発生した30日以降、6000人近くの救助隊員が掘削機でコンクリートの塊を除去しながら昼夜を分かたず捜索活動に当たっている。

 捜索活動は定期的に中断され、全員が沈黙してがれきの下に閉じ込められた生存者の音を聞こうと耳をすませた。

 トルコではこれまでに800回以上の余震が確認されており、うち40回がマグニチュード4.0を超えている。(c)AFP/Raziye Akkoc