■笑い話と優雅な手紙

 米首都ワシントンには、2000年末から2001年初頭にかけて当時のビル・クリントン(Bill Clinton)大統領から後任のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)氏への政権移行期間中に、ホワイトハウス(White House)にある無数のパソコンでキーボードの「W」のキーが破損したりなくなったりしたという笑い話がある。

 故ジョージH・W・ブッシュ(George H.W. Bush)元大統領が後任のクリントン氏に政権を引き継いだ際の振る舞いは際立っている。自身を負かしたクリントン氏に宛てたブッシュ氏の手紙は、最高に優雅で洗練された例として、しばしば引用されている。

「親愛なるビルへ(中略)ここであなたに大きな幸せがありますように。私は、何人かの大統領が述べたような孤独を感じたことはありませんでした」

「私は助言するにはあまりふさわしい人間ではありませんが、批判によってやる気をなくしたり、進む道から外れたりしないでください」

「今や、あなたの成功はこの国の成功です。精いっぱい応援しています。幸運を」

 もしトランプ氏が敗北したら、バイデン氏に手紙をしたためるだろうか?そこには何と書かれるのだろうか?(c)AFP/Jerome CARTILLIER