【10月31日 AFP】11月3日の米大統領選で2期目を目指す共和党の現職、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、投票後の「円滑で美しい政権移行」を望むと選挙演説で述べた。その一方で、「だが、正直な投票でなければいけない」と意味深長な言葉も付け加えた。

 今回の大統領選で民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領と争っているトランプ氏は、この数か月間、選挙の正当性に対する疑念の種をまいてきた。

 郵便投票の信頼性に疑問を呈しているトランプ氏は、バイデン氏が勝利した場合に選挙結果を受け入れるかどうか態度をはっきりさせていない。バイデン氏に負けた場合にトランプ氏が何をするか予想することは難しい。

 経験豊かな政治アナリストであるバージニア大学(University of Virginia)のラリー・サバト(Larry Sabato)氏は、バイデン氏がトランプ氏にどの程度の差をつけて勝利するかがトランプ氏の行動に大きく影響すると考えている。

 サバト氏はAFPに対し、「トランプ氏が大差で負けた場合は、嫌々ながらバイデン氏に引き継ぐための最低限のことをするだろう」とした一方、接戦の場合は何が起きるか分からず、暴力的な抗議行動を含むあらゆる可能性があると述べた。

 トランプ氏が敗北した場合に、残る77日間の任期中に何をするのかは分からない。過去には、退任間近のいわゆる「レームダック」期に物議を醸す大統領恩赦が実施された例も多々ある。