【10月30日 AFP】ラグビーイングランド代表のエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)は29日、シックスネーションズ(Six Nations Rugby 2020)のタイトル獲得を懸けたイタリア戦を控える中、前週のバーバリアンズ(Barbarians)戦が中止されて「物笑いの種」になっていることを受けて、選手たちにラグビーユニオンとしての名誉を取り戻すように促した。

 昨年のW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)で準優勝を果たしたイングランドは、新型コロナウイルスの影響で31日に延期されていたシックスネーションズの最終節で、仮に万年下位に沈むイタリアに大勝し、同じくタイトルを争うフランス対アイルランドの一戦が自分たちに有利な結果となれば今季の優勝が決まる。

 この数か月間は実戦から遠ざかっていたイングランドは、25日に英トゥイッケナム・スタジアム(Twickenham Stadium)でバーバリアンズと親善試合を行って伊ローマでの一戦に備える予定だった。

 しかし、元イングランド代表キャプテンのクリス・ロブショウ(Chris Robshaw)を含めたバーバーズ(BaaBaas、バーバリアンズの愛称)の選手数人が、「バブル(隔離環境)」下のホテルから無断で外出してレストランで食事するなど、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防止規則に違反したことが発覚し、試合は突如中止された。

 ジョーンズHCは当初、試合が見送られたことにも落ち着いた態度を示し、ラグビーファンには「良き若者」で「母国によく尽くした」FLロブショウをあまり責めないように促していた。しかし、この日イングランドラグビー協会(RFU)が、バーバリアンズの選手13人(名前は非公表)が「悪影響を与える」行為をしたとして処分する数時間前に行われた記者会見では、寛大とは程遠い口調を見せた。

「現在ラグビーは物笑いの種になっている。そして、われわれは全員この競技を愛している」「ラグビーは素晴らしい競技であり、こうして何かまじめなスポーツではないと捉えられるのを目にするのは好まない」

 これまでに母国オーストラリアや日本で代表チームを率いているジョーンズHCは、バーバリアンズの指揮を執った経歴も持っており、「このような時期に、社会の規則を破って試合が中止されるのは誰も見たくない。そういうことだ」と語った。(c)AFP/Julian Guyer