■「融解が信じられないほど速く進行」

 小氷期の終わりの1890年以降に、表面積250平方キロ近くに及ぶ氷が消失している。

 20年来のツアーガイド、グンナー・グジョンソン(Gunnar Gudjonsson)さんは、AFPに「ラングヨークトル氷河の標高が、 あちらこちらで低くなってきています」と話した。

「そのため、実際に新たな山や新たなヌナタク(氷原から突き出た山の背や山頂部)が、氷河から出てきています」と、グジョンソンさんは続けた。

「融解が信じられないほど速く進行しています」

 8月には、融解水で形成された氷河湖の堰(せき)が決壊し、洪水が発生した。

「これは大事には至らなかったものの、こうした現象に慣れていない地域で発生した」と、アイスランド気象庁(IMO)の氷河学者トルステイン・トルステインソン(Thorsteinn Thorsteinsson)氏は指摘している。

 ラングヨークトル氷河の存続の可能性はわずかだと、トルステインソン氏は警告した。

「この傾向がこれまでと同様に、あるいはいっそう温暖化した気候の下で続くと、ラングヨークトル氷河の全体もしくはおそらく80~90%が今世紀末までに消失する可能性は非常に高い」と、トルステインソン氏は述べている。(c)AFP/Jeremie Richard