【10月29日 AFP】サッカー元アルゼンチン代表のレジェンド、ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏が28日、60歳の誕生日の夢のプレゼントは「イングランドからもう1点。今度は右手で取ること」とコメントした。

 30日に還暦を迎えるマラドーナ氏は、フランスのサッカー専門誌「フランス・フットボール(France Football)」のインタビューで、アルゼンチンが優勝した1986年W杯メキシコ大会(1986 World Cup)準々決勝でイングランドから奪った「神の手」による得点に言及した。

 過去にこの手での得点について聞かれた際、マラドーナ氏は「もし可能ならば謝罪するし、時を戻して歴史を変えたい。でもそれでもゴールはゴールだ。アルゼンチンは世界王者になり、私は世界一の選手だった」と答えている。

 インタビューで最近の夢について聞かれたマラドーナ氏は、「イングランドを相手にもう1点、今度は右手で取ることを夢見ている」と答えた。

 また、一番の誇りは「サッカーを通じて人々を幸せにした」ことだと真剣な表情で答えたマラドーナ氏は、「スタジアムやテレビで私を見た人たちに喜びや楽しさを与えてきたと思う」と続けた。

 現在マラドーナ氏は、自身のボディーガードが新型コロナウイルスの検査で陽性反応を示し自主隔離中のため、つつましい誕生日になるものとみられている。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は「中南米の人にとって本当に大きな打撃」と話すマラドーナ氏は、薬物依存やアルコール中毒の過去があり、これまでに心臓発作を2度起こし、肝炎を患うなど健康問題を抱えているため、ウイルスに感染した場合に重症化するリスクを抱えている。

 現在アルゼンチン1部リーグのヒムナシア・ラ・プラタ(Gimnasia y Esgrima La Plata)を指揮するマラドーナ氏は、数週間前に選手1人がウイルスに感染したため自主隔離に入っていた。チームはマラドーナ氏の誕生日に試合を控えている。

 人口約4400万人のアルゼンチンでは、新型コロナウイルスの感染者は100万人以上に上り、死亡者数は2万9000人となっている。(c)AFP