【10月28日 AFP】韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領は28日、2050年までに温室効果ガス排出ゼロを目指していくと宣言した。ただ文大統領は、気候変動対策の鍵とみなされている同ガスの削減について、同年までに排出量をゼロにするとの確約には至らなかった。

 世界第12位の経済規模の韓国にはエネルギー資源が乏しく、国際エネルギー機関(IEA)によれば、電力の40%は安価だが汚染を引き起こす輸入石炭に頼っているという。

 文大統領は国会での演説で、「気候変動への積極的な対応の一環として、2050年までに温室効果ガス排出ゼロに向けた努力をする」と述べた。

 先月には、世界最大の温室効果ガス排出国である中国の習近平(Xi Jinping)国家主席が、排出量がピークとなる予想の2030年以降、2060年までにゼロを目指すと発表。環境保護団体は大きな前進とこれを歓迎した。

 また菅義偉(Yoshihide Suga)首相も今週、日本における温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにすると表明したばかり。

 文大統領は来年の投資額として、「石炭によるエネルギー生産を再生可能エネルギーで代替する」ために2兆4000億ウォン(約2200億円)、電気自動車の充電スポット増設のために4兆3000億ウォン(約4000億円)と発表した。(c)AFP