【10月28日 AFP】新型コロナウイルス流行の第2波に見舞われているスペインで27日、医師らが労働条件の改善と正当な評価を求めて、25年ぶりとなる全国的なストライキを実施した。

 国内で働く医師26万7000人のうち、約85%がストライキに参加した。24時間のストを呼びかけた全国医師組合連合は、医師らは治療を続けたため、多くの場合、ストへの参加は象徴的なものだったと述べた。

 医師らは公式にストの実行を表明したが、必要最低限の治療を確保し患者が放置されないよう勤務を続けた。

 マドリードの議会前には、およそ50人の白衣を着た医師が集まり、対人距離を保ちながら抗議の声を上げた。参加者の多くは大きな黒いブーツが医療従事者の集団を踏みつぶす様子を描いたポスターを掲げていた。

 新型コロナウイルスの大流行が始まってから、地域ごとの抗議活動は行われていたが、全国的なストは1995年以来。

 議会前のデモに参加した消化器専門医のセルヒオ・カサボーナ(Sergio Casabona)医師は、医師らが皆疲れ切っていたところに、必要となれば医師に専門外の作業も行わせることを可能にする命令を政府が出したことで、忍耐の限界を超えたと訴えた。

 保健省は新型コロナウイルス対策の改善に必要な改革だと主張しているが、医師の労働組合は、スペインの公的医療制度に対する「最大の攻撃」だと反発している。

 スペインは先週、新型コロナウイルスの感染者数が欧州連合(EU)加盟国で初めて100万人を超えたと発表した。これまでに確認された死者は3万5000人を超えている。(c)AFP