■「エイムボット」や「ウォールハック」

 不正行為は今に始まったことではない。ゲームの「素晴らしい新世界」でもそうだ。

 例えば、シューティングゲームで照準合わせを向上させるチート(不正プログラム)の「エイムボット(aimbot)」をオンラインで購入できる。また、「ウォールハック(wallhack)」というチートを使うと、壁の透視や通り抜け、壁越しの射撃などが可能になる。

 ESLのクサウォ氏は「この種のことを防ぐために、何年にもわたり、PCやシステムの構成を適合させ、セキュリティーのレベルを向上させてきた」と話す。「だが、人々は非常に創意に富んでいる」

 一部のゲームプレーヤーが不正を辞さない姿勢を示す一例が、マルチプレーヤーゲーム「ドータ2(Dota 2)」の権威あるトーナメント「ジ・インターナショナル(The International)」2018年大会で、ペルーのチーム「サンダープレデター(Thunder Predator)」が予選ステージから除外された件だ。チームメンバーの1人が、自チームに優位性を不正に与えるプログラム可能マウスを使用したからだ。

 チートの追跡調査は多大な時間を要するが、eスポーツの発展にとって欠くことのできない側面となっており、この役割を担おうとしているのがESICだ。

 ESICは、データの侵害に真正面から対処することが、ゲームとあらゆるeスポーツにとって「長期的に見て最も得策」だと考えている、とのコメントを出している。(c)AFP/Diane FALCONER