【10月26日 AFP】シンガポール航空(Singapore Airlines)は24日、空港に駐機されている旅客機の機内で、期間限定のレストランを開いた。「空の旅」がしたくてたまらない数百人が機内でランチや映画を楽しんだ。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で航空業界が深刻な危機に陥る中、航空各社は遊覧飛行「どこにも行かないフライト」や旅客機の見学ツアーを実施するなど、さまざまな方法で収入を補っている。

 今年、数千人の従業員を削減し、ほぼ全ての旅客機を地上待機させてきたシンガポール航空は、世界最大の旅客機、エアバス(Airbus)A380型機2機の機内で食事する機会を設けた。

 シンガポール(チャンギ)国際空港(Changi International Airport)で24日、400人以上が搭乗手続きを行い、通常通りの保安検査を通ってA380型に搭乗し、機内でランチをとった。

 エコノミークラスに乗ったゾウ・タイ・ディ(Zhou Tai Di)さん(17)は食事を楽しみながら、「料理はとても素晴らしい。フライト中に出されるものよりおいしい」とAFPに語った。

 料理が出てくるまで昼寝をする人もいれば、機内エンターテインメントシステムで映画を鑑賞する人もいた。ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)のガイドラインを踏まえて、座席のおよそ半分は空席だった。

 321シンガポール・ドル(約2万4800円)を支払い、ビジネスクラスで全6品のコース料理を食べた航空ファンのカルビン・テオ(Calvin Teo)さん(29)は、空の旅ができなくて寂しいので、せめてその気分を味わいたかったと語った。(c)AFP