【10月23日 AFP】タイの首都バンコクで続く大規模な反政府デモでは、その優れた情報収集ネットワークから米中央情報局(CIA)になぞらえられる存在がいる──屋台で飲食物を売る露天商たちだ。

 政府が先週、デモ収束に向けた厳しい措置を導入して以降、デモ参加者らは当局を出し抜くために集会の場所を直前まで公表しない「ゲリラ」戦略を取るようになった。だが参加者らはすぐに、自分たちが到着する前から露天商らが会場で出店準備を始めているのに気づくこととなった。

 ある露天商(19)はAFPに対し、フェイスブック(Facebook)上で最新デモ会場についてのヒントを集め、同業者と常に連絡を取り合うことで、いち早く情報を察知していると説明。「以前も稼ぎは良かったけれど、デモ会場に店を出すようになってからは売れ行きがさらに良くなった」と語った。

 7月に抗議運動が始まってから商売は繁盛しており、デモ会場に屋台が集まる様子はおなじみの光景となった。デモ参加を呼び掛ける20日の投稿には、屋台の写真とともに「CIAを最初に送り込もう」とのコメントが添えられた。(c)AFP