■金正恩氏と「恋に落ちた」

 トランプ氏は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-un)朝鮮労働党委員長を「口撃」。2017年にはツイッター(Twitter)で、金氏を「小さなロケットマン」とやゆ、北朝鮮は「炎と怒り」を受けることになると警告した。

 しかし、2018年の史上初の米朝首脳会談が終わると、トランプ氏は金氏のご機嫌取りが気に入ったようで、態度を一変。共和党候補の応援演説の中で、「私たちは恋に落ちた、分かったかい?」「彼は私に見事な手紙を送ってきたんだ」と話した。

■習近平氏への手のひら返し

 トランプ氏は、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席を個人攻撃しないよう注意を払っていたが、米国での新型コロナウイルスの流行を受けて態度を一変させた。

 トランプ氏は今年2月、「強く聡明で、強い目的意識を持っている」と習氏を評価し、新型ウイルスの封じ込めで「大成功」を収めると予想した。

 しかし、米国の新型ウイルスによる死者数が世界最多レベルに増加し、大統領選の争点になると、トランプ氏は5月、「痛みと殺りく」を拡散しているとして中国を非難。「すべての元凶は中国の指導部だ」「その気になれば新型コロナウイルスを簡単に抑えることができたのに、しなかった!」とツイートした。

■同盟諸国への攻撃

 トランプ氏の特に辛辣(しんらつ)な攻撃の中には、敵対国ではなく同盟国に向けられたものもある。
 
 トランプ氏は、難民を喜んで受け入れているとして、ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相を繰り返し批判。2018年には、犯罪件数が急増し、ドイツ人が「指導部に背を向けている」と間違ったツイートをした。

 さらに、カナダで2018年に開かれた先進7か国(G7)首脳会議(サミット)後には、米国の関税をめぐる論争で、カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相が「非常に不誠実で優柔不断」だったとツイート。トランプ氏のナショナリスト的な発言を敬遠するフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領や英国のテリーザ・メイ(Theresa May)前首相についても、公然と批判してきた。(c)AFP